ロキソニンと同じ成分の市販薬は?
ロキソニンは1986年から医療用の医薬品として処方されている、解熱鎮痛薬です。
ロキソニンと同一成分の市販薬は、次の3つの製品が販売されています。※2015年12月現在
- ロキソニンS(第一三共ヘルスケ)
- ロキソプロフェン錠「クニヒロ」(皇漢堂)
- エキセドリンLOX(ライオン)
2015年7月に「コルゲンコーワ鎮痛解熱LXa」が興和より発売されました。
ロキソニンと同じ成分も含まれていますが、一部異なる成分も含まれているため比較から除外しました。
ロキソニンと同一成分である3製品は、はたしてどのような違いがあるのでしょうか?
「有効成分」「効果・効能」「副作用」「用法・用量」「分類」「値段」「販売元」「形状」の計8項目について比較していきます。
有効成分・添加物の違いは?
3製品ともに1錠あたり「ロキソプロフェンナトリウム水和物」 無水物として 60mg を含んでおり、有効成分と含有量はまったく同じです。
続いて、添加物には若干の違いがありましたので、次の表をご覧ください。
添加物 | ロキソニン | ロキソニンS | クニヒロ | LOX |
---|---|---|---|---|
ヒドロキシプロピルセルロース | ○ | ○ | - | ○ |
ステアリン酸Mg | ○ | ○ | ○ | ○ |
乳糖水和物 | ○ | ○ | ○ | ○ |
三二酸化鉄 | ○ | ○ | ○ | ○ |
トウモロコシデンプン | - | - | - | ○ |
セルロース | - | - | ○ | - |
ポビドン | - | - | ○ | - |
部分アルファー化デンプン | - | - | ○ | - |
クロスポビドン | - | - | ○ | - |
無水ケイ酸 | - | - | ○ | - |
ロキソニンと添加物まで完全に同じなのは、ロキソニンSのみでした。この2つは製造元も同じ第一三共ヘルスケアになります。
添加物は多ければいいというわけでもなく、添加物の違いによる効果の影響有無は、判断が難しいところです。
薬の効果は基本的には、有効成分によって決まります。添加物は、味や香りづけ、錠剤の形成、保存期間に影響を与えますが、薬の効果において無視できないという意見もあります。
効果・効能、副作用の違いは?
有効成分と含有量が同じなので、3製品ともにほとんど同じ効果・効能になります。副作用も同様です。
ただし、製造方法や添加物の違いから、効果に微々たる差がでたり、添加物に対するアレルギーがでる可能性はあります。
ロキソニンと完全に同じ効果を期待する場合は、メーカーも同じロキソニンS一択になるでしょう。
効能についても3製品同じですが、メーカーの説明内容は異なります。
エキセドリンLOXの効能には「腰痛・肩の痛みに速くよく効く」とあるので、腰痛に特化した薬のようにも見えます。
そこで、エキセドリンLOXのメーカーであるライオンのサポートセンターに電話をして確認したところ
「訴求対象(マーケティング戦略)の違いであって、ロキソニンSと効果に違いはありません」という回答でした。
ライオンとしては、すでに頭痛薬は「エキセドリンA錠」や「バファリンシリーズ」を自社から販売しているため、棲み分けのためにエキセドリンLOXは腰痛や肩の痛み向けに販売しているようですね。
これは個人的な見解ですが、知名度の高いロキソニンSとは対抗せずに、腰痛や肩の痛みという別ジャンルを狙っているようにも見えます。
念のため、補足しておくとエキセドリンLOXもロキソニンSも、頭痛はもちろん、腰痛や肩こりに対しても効果的です。
市販薬の中では最も効果の高い痛み止めであると言えるでしょう。
用法・用量の違いは?
用法・用量については、3製品とも次の内容でまったく同じです。
年齢 | 1回服用量 | 1日服用回数 |
---|---|---|
成人
(15歳以上) |
1錠 | 2回まで 再度症状があらわれた場合、3回目を服用可能 (服用間隔は4時間以上) |
15歳未満 | 服用しないで下さい |
薬の分類は?
いずれの商品も第1類医薬品に分類されますので、薬局では通常の棚にはディスプレイされていないことが多いでしょう。
薬剤師による説明が義務づけられているため、お客さんが直接手の届かないカウンターの奥などに商品は収納されています。
店員、薬剤師に声をかけるか、第1類医薬品を取り扱いのあるネットショップで購入することが可能です。
値段を比較
商品名 | 内容量 | 希望価格 |
---|---|---|
ロキソニンS | 12錠 | 648円 |
エキセドリンLOX | 12錠 | 648円 |
ロキソプロフェン錠「クニヒロ」 | 12錠 | 648円 |
いずれもメーカー小売価格は648円で12錠入りでした。
ただし、調べたところ実売価格はロキソプロフェン錠「クニヒロ」が一番安く購入できる店舗がネット上には多いようです。
発売時期を比較
製品名 | 会社名 | 発売時期 |
---|---|
ロキソニンS | 第一三共ヘルスケア | 2011年1月 |
ロキソプロフェン錠「クニヒロ」| 皇漢堂 | 2012年1月 |
エキセドリンLOX|ライオン | 2015年2月 |
ロキソニンSがロキソプロフェンを使った、初めての市販薬になります。
販売元を比較
薬名 / 会社名 | 売上 |
---|---|
ロキソニンS | 第一三共ヘルスケア | 448億円 (2011年) |
ロキソプロフェン錠「クニヒロ」| 皇漢堂 | 37億7400万円 (2013年) |
エキセドリンLOX|ライオン | 421億円(2010年) |
皇漢堂は知名度では、大きく劣りますよね。薬局によっては、取り扱っていない場合もあるかもしれません。
形状・大きさを比較
商品名 | 直径 |
---|---|
ロキソニン | 9.1 mm |
ロキソニンS | 9.1 mm |
エキセドリンLOX | 9 mm |
ロキソプロフェン錠「クニヒロ」 | 9.0 mm |
大きさ、形状は3製品ともほとんど変わらないと思ってよいでしょう。
比較まとめ
薬にとって最も重要な、効果・効能や副作用はほとんど同じなので、どの商品を選んでも大きな違いはなさそうです。
ただし、添加物に若干の差異が見られた為、ロキソニンと完全に同一効果を期待する場合は、ロキソニンS以外にないでしょう。
販売元の第一三共ヘルスケアも、ロキソニンとロキソニンSは同一効果であると認めています。
ネット販売ではエキソプロフェン錠「クニヒロ」が一番安いようなので、価格を重視する場合は検討してみてもいいでしょう。
ただ、メーカーのサポートや販売実績、製造技術などを重視する人は、ロキソニンSかエキセドリンLOXを選んでもいいかもしれませんね。