痛み止めや風邪薬に比べると地味なイメージのある去痰(きょたん)薬。
「去痰剤といえばムコダイン」というほどムコダインは去痰剤には定番の存在で、風邪をひいたときによく処方される薬の1つです。
痰には、細菌やウイルスなど風邪の原因がつまっています。
痰は飲み込んだりせずに、どんどん出していくことで症状はやわらいでいきます。粘り気のある痰の場合、自力では出しづらいことも多いので、去痰剤の助けが重要になります。
ムコダインと同じ成分の市販薬
ムコダインの成分は、カルボシステインです。たんを出しやすくする効果があります。
カルボシステインを含んだ市販薬は多数ありますが、カルボシステイン単一成分による市販薬はありません。
よって、ムコダインとまったく同じ成分の市販薬はありません。
ムコダインの成分カルボシステイン配合の市販薬
カルボシステインを含む市販薬には、大きく分けて2種類あります。
去痰に特化した市販薬と総合感冒薬です。
去痰に特化した市販薬
去痰に特化した市販薬は、カルボシステインとブロムヘキシンが配合されています。
ブロムヘキシンはカルボシステインと同じく痰を出しやすくする効果があります。
カルボシステインが痰を薄めるのに対して、ブロムヘキシンは気道の分泌量を増やす働きがあります。
また、ブロムヘキシンの方がきれの悪い痰に適しているといえます。
よって、2つの成分が相乗効果をもたらしています。一概には比較できませんが、ムコダインよりも高い去痰効果が期待できます。
カルボシステインとブロムヘキシンを配合した市販薬は、主に次の4種類があります。
薬名 | 製造元 | 区分 |
---|---|---|
去痰CB錠 | 浅田飴 | 第2類医薬品 |
ストナ・去たん | サトウ製薬 | 第2類医薬品 |
クールワン去たんソフトカプセル | キョーリン製薬 | 第2類医薬品 |
エフストリン去たん錠 | 大昭製薬 | 第2類医薬品 |
上の4つの市販薬は、有効成分と量がまったく同じで次のとおりです。
成分 | 分量 (1日の分量) |
---|---|
カルボシステイン | 750mg ※1錠あたり125mg |
ブロムヘキシン | 12mg |
※処方薬のムコダインには、カルボシステイン1錠あたり250mgと500mgの2種類があります。
成分が同じなので、服用回数も同じです。
年齢 | 服用方法 |
---|---|
15才以上 | 1日3回、1回3錠 |
8才〜14才 | 1日3回、1回2錠 |
8才未満 | 服用できません |
製薬会社が異なりますので、厳密には製造方法や添加物は違いますが、どれを選んでも大きな効果に違いはないと考えられます。
1錠あたりの価格が最も安い去痰CB錠がオススメです。
カルボシステイン + 咳止めの市販薬
続いてカルボシステインと咳止めの成分を配合した市販薬を紹介します。
カルボシステインの含有量は、どれも750mgと変わりありません。咳止めの成分はそれぞれ異なってきます。
薬名 | 成分 (1日服用分) | 区分 |
---|---|---|
新フステノン | カルボシステイン 750mg 咳止め成分 |
指定第2類医薬品 |
クールワン せき止めGX | カルボシステイン 750mg 咳止め成分 |
指定第2類医薬品 |
ドップェル錠せきどめ | カルボシステイン 750mg 咳止め成分 |
指定第2類医薬品 |
新エスエス ブロン錠エース | カルボシステイン 750mg 咳止め成分 |
指定第2類医薬品 |
カルボシステインに加えて、咳止めの成分が複数配合されていますので、ムコダインとは大きく違った効用になります。
せきはたんが絡んで出る場合もあります。その場合、咳止めを使わなくても症状が治まることもあるでしょう。
痰切り目的であれば、咳止めの効果は不要です。
まとめ
- ムコダインとまったく同じ成分の市販薬ない
- ムコダインと同じ成分カルボシステインを含む市販薬は多数ある
- ムコダインに近い去痰剤としては、去痰CB錠がオススメ